成すも成さぬも 今を楽しめ

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

フィンランド留学記

207日目:数ならぬ 身にしあれども 今日よりは

フィンランド最終日である。既に振り返りはブログ上でも済ませたが、正直まだ帰国の実感が湧かない。「フィンランドの何が恋しくなると思う?」なんて聞かれたりもするが、全く見当がつかない。たぶん恋しくなってからでないとわからないだろう。 さんざん総…

201日目:帰国に際して

フィンランド滞在も200日を超え、日本の新学期が近づいてきた。元々9月の終わりのつもりで心の準備をしていたから、気分的には半年弱グンと近づいたような気さえする。撤退準備もなんとかなりそうだ。帰国後も書類には悩まされるだろうが、2つの大学それぞれ…

193日目:冬風辞

各方面への連絡が終わり、どうにかこうにか帰還のめどが立った。書類やらサインやら求めてくるのは全部日本の大学の方で、ヘルシンキ大は「帰りたいなら帰れば?」と言わんばかりの応対で、ありがたい一方でやはりお客さん止まりだったんだなと思った。 最近…

189日目:結局この半年は何だったのか

ここのところ晴れ間が続いて小春日和だったのが、今日になってまた雪が降り始めた。フィンランド語には「偽の春」とか「冬返り」といったような言葉があるらしく、恐らくそれだろうと検討をつけている。当分太陽を見ることは無さそうだ。 帰国するぞ、という…

183日目:一寸先は闇、一寸後ろも闇

基本引きこもりの生活が続いている。運動しないので筋肉が衰えていっているからか、食べる量が減ったからか、とにかく体重が減っていくのが怖い。太っているので普段なら有難がるのだが、どうにも良い知らせのような気がしない。ともかく足を中心にリハビリ…

172日目:骨と心が折れた。

2週間前、骨を折った。いつも通り大学に投稿する途中に凍った歩道で足を滑らせ、足首の巻き込み方が悪かったのかポッキリ逝ってしまった。当日は気づかないまま帰ったのだが、翌日になっても痛みが治まるどころかひどくなったため急遽保険会社に連絡して病院…

150日目:これまでとこれからと

1月ももう下旬に差し掛かっている。1月は行く、2月は逃げる、3月は去るとよく言っていたのは小学3、4年の頃の担任だったが、まさにその通りのように感じる。 さて、留学も折り返しを過ぎ、いよいよ自分の立ち位置というものが明確になってきた。立ち位置とい…

Day 144: You don't live forever.

It's almost half year since I came here. Even though my exchange life is quite different from what I expected, I've learnt many things which I didn't know while I was in Japan. Interestingly, I've spent almost all time with Japanese and Fi…

129日目:どうしようもなく、新年

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 タイトルは別に新年に文句をつけようというわけではない。高校時代、「俺は新年なにがめでたいのかわからん」という中学生みたいなイキり方をする教員がいたが、何を言っているんだと思っ…

112日目:『風と共に去りぬ』を見た

すっかり冬休みである。もともと授業を2つしか取っていなかったため暇だったのだが、それでも名実ともに休みというのは嬉しいものである。また来学期にようやく面白そうな授業を発見したためソレの準備も兼ねて勉強をやっと始めることができた。 【以下、ネ…

100日目:人間関係の渦の中で

記念すべき100日目である。今日は友達の家でロードオブザリングを見てきた。当初は12時間ぶっ通しでみるという計画もあっておいおいマジかよと思っていたのだが、結果として最初2本分の計4時間くらいで済んだ。その後殆どみんな帰ったのだが、いい機会なので…

90日目:メデューズ号の筏

今日は近所に住んでる日本人とカレーを作ろうかという話になり、我が家で作ることになった。せっかくなので色々な人に声をかけていたのだが、用事やら病気やらで来れない人が続出し、蓋を開けてみたら日本人(日本語がネイティブ級の人)ばかりになってしま…

83日目:Japanese woman in the US

今日はわざわざ隣町までバトミントンとフットサルをしに行ってきた。一度スポーツが好きですという顔をすれば、あれよあれよという間に色々な機会が増えていく。最も中身が伴っておらず、今日などはバトミントンでサーブを三回連続でミスしたり、危うくオウ…

80日目:過去が足を引っ張るの巻

最近、生物心理学(心理生理学、biological psychology)を勉強し始めた。量も多けりゃ内容もほとんど馴染みがないために苦労している。 なにせ著者が前書きで直々に「高校レベルの生物/化学の知識を前提としている」と宣言するくらいである。こちとら文系畑…

54日目:お気に入りポイント

最近、家の裏にかなり広い公園があることを知った。土地が余ってるのをいいことに森を切り開いて芝生を敷き詰めたのであろうその公園には、ベンチこそないものの小さい岩山があり、そこからの景色がなかなか良いのだ。なので2,3日ごとに出かけている。 昔か…

52日目:Sicut erat in principio, et nunc et semper, et in saecula saeculorum.

この週末、友人の別荘にお邪魔させてもらっていた。こちらの中流以上の家庭は田舎、というか森の中か湖畔に別荘を持つのが基本らしく、こじんまりとしていながらなかなか立派な造りの建物に感心した。 私の友人とその彼氏が主催し、友人一同を招くという形だ…

46日目:他国人は「自由」なのか

フィンランド人はスローライフだ、非学歴社会だといった言説を、こちらに来る前はかなり聞いていた。日本は大学のブランド名が幅を利かせており、就職を始めとした色々な場面で差別を受けるが、翻ってフィンランドはみんなそんなことは気にしないのだと。 し…

38日目:油断していたところに一発

インスタを眺めていて、ふとお世話になった人(友人というのはなんだかおこがましい気がする)がアブダビにいるというストーリーを発見した。普段からやり取りをする人ではないのだが、これはヨーロッパ方面だな、と思いメッセージを送ってみた。案の定オラ…

35日目:「日常」の再構築中

朝起きて、大学に行って、昼飯を食って、また授業を受けて、帰りにスーパーに寄って、夕飯作って食って寝る。これが生活の基本パターンである。しかし、サウナに行ったり、イベントに出かけたりと想定外の予定が舞い込むことも多く、どこまでが日常でどこか…

27日目:群れよ日本人

大学の恩師が研修の関係でヘルシンキを訪ねてきた。飯を食いながら海外での日本人~~というような話になったのだが、彼の見解はなかなか面白かった。 曰く、テレビやらネットやらで「海外に行ってまで日本人同士で群れていては、英語も上達せず、異国の友人…

22日目:進捗のなさにビビり倒す

気づけば、滞在日数が20日を超えていた。とにもかくにも一国の最長滞在日数を更新したことを喜びたい。相変わらず授業を受けたり、宿題をしたり人と交流したりしながら生きている。 しかし、逆に言えばそういったことしかできておらず、何か考えたりする時間…

19日目:半径85cmがこの手の届く距離

今日は授業を受けて、友人宅で天ぷら(偽)を作った。普通のスーパーにしか行けずクソみたいなクオリティのしょうゆ・TERIYAKIソース・小麦粉・やたら酸っぱい酢くらいしか調達できなかったのだから仕方ない。日本食を作れる環境を整えて、ホームパーティー…

18日目:立ち位置と英語力に悩む

前回までの記事の日付の日数はどうも間違っていたらしい。8月24日スタートでカウントしているので、もし気になる場合は適宜読み替えてもらいたい。 図書館に行って、フィンランド人の友人と昼食を食べ、彼女の家にお呼ばれしグダグダと雑談していたら一日が…

12日目:思ったよりも授業がきついぞ

本題に入る前に、仕組みなどをつらつらと書いてみたい。こちらの授業はコース単位での登録となっており、一つのコースが週に複数回あることが多い。早い話が、同じ授業のコマ数が週に2つであることの方が多いのだ。また、弊大学と同じく1セメスター2ターム制…

10日目:始めの一週間を終えて

正確に言えば金曜日で1週間だったのだが、授業の諸々やイベントごとをひっくるめて考えれば今日が一週目と呼んで差し支えないだろう。 荷物も持たずに入国したときはおいおい大丈夫かと思ったが、人に恵まれてかまたは国に恵まれてか、どうにかこうにか生き…

そろそろ一日単位で書くのは飽きてきた

今週はWelcome weekにあたるらしく、様々なイベントが企画されている。最終的にはバーへなだれ込んで飲むわけであるが、それまでにキャンパスを歩いてみたり、市街を散策してみたり、ただその辺の芝生でしゃべったりと色々だ。物価は相変わらず高いが、Unica…

1日目:全てが手探り、特にお金

時差ボケのせいか、朝は6時に目が覚めた。インターネットもない、充電器もない状態では暇を潰すのが非常に難しく、散歩でもしようと思って寮の扉を開けると、兎が二羽中庭を駆け回っていた。改めて、やべぇところに来たなと思った。 ともかくも変換プラグを…

0日目:到着までの長い長い道のり

私はやらかすときはやらかすタイプの人間である。年に一度は、凄まじく大きなミスを犯すのだ。今回はそれがこのタイミングでやってきた。 出発当日の朝に成田へやってきた私は、荷物をロッカーへ預け、TAをやっていた例のプログラムの最終日へ参加した。彼ら…