成すも成さぬも 今を楽しめ

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

創作物との付き合いの変化

 やる夫スレ、という文化がある。

 今はもう俺的ゲーム速報の方で有名になってしまったが、↓のようなキャラクターを「やる夫」といい、むかーしむかしに2ちゃんねるで生まれた。

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  /  ─    ─\ 
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/     ∩ノ ⊃  /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |  
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 こいつやこいつと同様の2ちゃんねる派生のキャラクター、その他版権キャラを動員して、「物語」を作り出すのがやる夫スレであり、2000年代の後半から10年代初頭にかけて隆盛を極めた。しかし、昨今の「小説家になろう」や「ピクシブ」の影響で今やすっかり下火である(そもそもやる夫スレがメジャーだったことはないが)。今では誰でも漫画家、小説家になれる時代だから、わざわざAAを使って表現することもない。安価、ダイスなど様々な時代を経て、今は「あんこ」スレが人気だが、それとてよほど版権キャラを使いたい人間、昔から界隈にいる人間程度しかいないのだ実情だ。

 

 しかし、今回の主題はそこではない。

 最近、ちょっとした暇つぶしにやる夫スレを読む際、一度以上読んだことのある過去作を読み直している自分に気づいたのだ。最近のスレは登場人物がわからない。ましてそのAAの原作に関しては言わずもがなだ。

 考えてみれば、もうずいぶん漫画を買っていない。アニメに関してもごく一部を除いては、昔観ていたものの続編とかリメイク版とか、そんなものばかりになってしまっている。サブカルチャーに関して、自分の情報更新がほぼ途絶えてしまっていることは全く嘆かわしい。サブカルは私の青春の全部とは言わないが、間違いなく一部ではあったのだから。

 そのかわり、NetflixAmazon video で洋画や海外ドラマを見ることが増えた。「日本の物語」に使うカネが相対的に減っているのだと思う。日本のサブカルが劣化したということではなく、自分の好みが変わったのだろう。サブカルの世界で老害になる前に、洋画・ドラマの世界で初心者になったわけだ。

 

 質だけでなく量も変わった。昔は自分の直観でアニメ・漫画に手を出そうとしていたが、今は話題のものや人から勧められたものをチェックするくらいだ。娯楽時間の大半を占めているのに、そこに自分の判断がさして介在していないというのは、単に付き合い方の変化なのだろうか。それとも、趣味に関する情報の取捨選択というのが既に、私にとっては重すぎる負荷となってしまったのか。