成すも成さぬも 今を楽しめ

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

「バロン倶楽部」が面白かった

  「バロン倶楽部」とは、深川出身のメンバーが中心となってバリ舞踊、ガムランを行うという団体らしい。昨日富岡八幡の祭りに行ったところ、肝心の山車を引いているところなどはみれなかったのだが、かわりにこの団体のパフォーマンスを見ることができた。詳しく調べたわけではないが、この団体のサイト(http://fukagawabarong.com/?page_id=5)によれば、25年にわたって出し続けているらしい。

 

 残念ながらストーリーは全く理解できなかったのだが、読み取った内容だけで言えば「獅子」と「シャーマン」が戦う? といったあらすじで、途中に「女官」たちの舞が行われるといった内容だった。興味深いのが「獅子」は一度神社の本殿の中に入っていき、また「シャーマン」も登場の際に本殿に盛んに礼をすることである。バリ舞踊という、日本にはなかったものを用いながら、日本の神を割と真面目に祀っているというのは、様々な議論があるにしても、面白い試みなのではないかと感じた。

 

 とはいえ、25年もやっていればそれは一つの伝統といって差し支えないにも関わらず、なんとなく「伝統」とは言えないように感じてしまうのはなぜなのか。「神を祀る」という姿勢は受け継がれているし、演者たちも「獅子舞」や「神楽」として認識している。ただ、楽器であったり舞踊であったり仮面であったり、それらのものがあまりにも日本的でないからなのだろう。たとえばこれらのうちどれかだけをバリ舞踊から輸入したものであれば、おそらく日本の伝統と解釈されうるだろう。ただすべてをバリに置き換え、境内で南国の島の舞踊を再現されても、なかなか伝統とはいえず、アートのように感じてしまうのではないだろうか。

 

 別に私は深川の住人でもなければ東京都民でもなくなりつつあるのだから、伝統だろうが何だろうがしったこっちゃなく、その演出が良ければなんでもいいのだが。