成すも成さぬも 今を楽しめ

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

207日目:数ならぬ 身にしあれども 今日よりは

 フィンランド最終日である。既に振り返りはブログ上でも済ませたが、正直まだ帰国の実感が湧かない。「フィンランドの何が恋しくなると思う?」なんて聞かれたりもするが、全く見当がつかない。たぶん恋しくなってからでないとわからないだろう。

 

 

 さんざん総括的な話をしてきたので、今回は今後に向けた話をしたい。フィンランドの半年は色々あったが、同時に暇とどう向き合うかという問題を抱えていた。同級生が日本で授業だ就活だ勉強だと励んでいる間に、生産性が低空飛行のままぼんやりパソコンをいじったり散歩したりしていたのだ。いわば「人生の夏休み」であって、長期休み特有の明日やろうの馬鹿野郎精神で生きてきたのだ。

 

 とはいえ、今回急に殺伐都市トーキョーへ舞い戻ることになったからには、活動の指針というものを立てねばなるまい。大学院へ進学して社会神経科学的なことをやりたいというのが今のところ漠然とした目標だが、そのためには研究テーマを決め、進学する大学院を選ぶところにはじまり、奨学金の確保を考えるとともに、一度投げ出した統計やらプログラミングやら未知の生体信号解析やら神経科学やら、圧倒的な勉強不足を補わなければならない。正直1年(院試を受けるなら4ヶ月、海外を受けるにしてもあと8ヶ月)で間に合う気は全くしないのだが、今までだって走りながら学んできたので、なんとかなるような気もしている。

 

 とりあえず、1年後までの目標として、英語圏の大学院の心理・行動科学or神経科学コースへ入学する権利を得ることを目標にしたい。とはいえアメリカのPh.D.に行くほどの知識がないという自負はあり、またアメリカに住むことがどうにもしっくりこないため、とりあえずは英・豪・新・加あたりを考えている。とはいえこのあたりは奨学金を取れないと進学できなさそうなので、学費の安い独や北欧も選択肢ではある。保険として国内の院や就職も考えてはいるが、あくまで保険なのでそれほど力は注がないつもりだ。

 

 海外に出たいのは日本国内で分野として研究がそれほど盛んではないことが理由であり、英語圏に進みたいのは、やはりアカデミックを中心として英語力全体を上昇させたいことがある。尤も、比較的新しい学問領域だけにどこの国でも盛んでない気配はあるし、英語圏に行ったからといて急に英語がうまくなるわけでもないのだろうが。そもそも私のようなノースキルクソ文系を海外の大学院は受け入れてくれるのかという点については考慮の余地があるどころかそれしかないが、そこは今年できるだけ対処しようと考えている。まあつまり、ここへ来て臀部が発火したのだ。薄々気づいてたが、改めて文字にするとなんてザルな計画だろうか。少なくとも常人は2年かかりそうなことを1年未満でやろうというのだから、無謀も甚だしい。

 

 研究を一生の仕事にできるかは正直なところ自分の中でまだ答えは出せていない。しかし日本の経済界もアカデミック界もそれほど明るいニュースを報じてくれない現状にあって、海外へ出る機会があるなら挑戦してみるのが人情というものではないだろうか。逍遥先生の次回作にご期待ください。