成すも成さぬも 今を楽しめ

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

0日目:到着までの長い長い道のり

 私はやらかすときはやらかすタイプの人間である。年に一度は、凄まじく大きなミスを犯すのだ。今回はそれがこのタイミングでやってきた。

 

 出発当日の朝に成田へやってきた私は、荷物をロッカーへ預け、TAをやっていた例のプログラムの最終日へ参加した。彼ら彼女らは私がいない間にも絆を深めており、私が大部分聞き逃したポスター発表もそれはそれは気合いの入ったものだった。教室を撤収し、宿舎まで移動し、なんとお別れ会の夕食まで同席させてもらえた。あいにくと途中で抜けなければならなかったのだが、電車に乗りながらなんとなくフライトを確認すると、そこには出発時刻やターミナルなど、想定通りの情報が書かれていた。----羽田発というただ一点を除いて。

 

 3回ほど確認したあと、慌てて移動手段を調べるも、どう頑張っても荷物を回収してから羽田へ向かったのでは飛行機に乗り遅れる。かといってフライトを変更したのでは20万円以上が請求される。思考のの袋小路に陥りかけた私に、友人に荷物の郵送を依頼するという天啓が舞い降りた。

 

 急遽高校同期の某君を呼び出し、ロッカーの鍵を受け渡し、実はデート中だった某君とその彼女にひたすら謝罪し続け、彼らが去った後は抜け殻のようになりながらもなんとか出国した。

 

 ドーハで乗り換える際は数時間ほど時間があったにも関わらず、モノは高いわWiFiに繋がらんわでイライラさせられたが、特に大きな事故もなく辿り着けたのは全く幸いであった。特に後の飛行機では、法律関係の仕事に就いているリトアニア人夫婦という縁もゆかりもない人種と知り合うことができたことを考えれば、出国後は順風満帆と言うべきか。

 

 さらにヘルシンキに到着してからは、先のプログラムに参加していたフィンランド人と合流し、オススメの安い服屋や寮までの道順を教えてもらった後、日本人と合流して飯を食い、ショッピングモールで食糧と衣類を調達して帰還した。

 

 ルームシェアなので、誰か先に来ているだろうと思っていたが、意外と誰も来ていなかった。荷物を適当に整理した後ですぐ眠ってしまった。

 

 まったく前途多難である。

 

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